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Book Suggestion

テーマ「たび

新年を迎えると、まだ見ぬ新しい世界に出発するような気持ちになります。また春には卒業・進学・引っ越しなどによって、新しい場所へ進む人もいるでしょう。人生には「旅」がつきものです。楽しい旅もありますが、時には厳しい航海や悲しい別れもあります。本の世界では、世界旅行や、過去・未来への旅も可能です。様々な「旅」に出かけましょう。

幼稚園部

みやこしあきこ作『ぼくのたび』

世界中からいろいろなお客さんが、そのホテルにやってきます。でも、ホテルで働く「ぼく」はまだ、まちから出たことがありません。仕事を終えた真夜中「ぼく」は目を閉じて、夢の中でおおきなかばんを持ち、旅に出ます―。世界中で高い評価を受ける絵本作家みやこしあきこさんがリトグラフ(石版画)で描く、美しい旅の絵本です。
 

カリーヌ・シュリュグ・文『ママはかいぞく』
”Ma maman est une pirate”  by Karine Surugue

ぼくのママはかいぞくなんだ。「カニなんてへっちゃら号」に乗って、海賊仲間たちと宝の島を目指して旅をしてる。家に帰ってくると、ママはとても疲れているみたい‥‥。ママが戦っている敵とは‥?
実はこの絵本は、著者自身が乳がんと闘う自分を海賊になぞらえ、自分が治療に取り組む姿を4歳半だった我が子に伝えるために作った作品なのです。


クレール・フロッサール著『エマのたび』『パリのエマ』
“Emma's Journey””Emma in Paris”   by Claire Frossard 

すずめのエマは、ニューヨークの大きな公園、セントラルパークに住んでいます。ボブおじさんの話で、フランスのパリに自分の親戚がいると聞いたエマは、セントラルパークを出て、パリを目指して大冒険に出発します。
続編『パリのエマ』では、舞台がニューヨークからパリへ。パリに住んでいるという「いとこのアメリ」の住所を手に道に迷っていたエマは、助けてくれた白ねこのエドワールと友達になります。さらに、やっと出会えたアメリといっしょに、パリで大道芸に挑戦することに……。実際のニューヨークやパリの写真とイラストが合わさった絵本です。
 

初等部低学年・中学年

エイミー・ノヴェスキー著『世界はこんなに美しい アンヌとバイクの20,000キロ』
”Girl on a Motorcycle” by Amy Novesky

「世界じゅうを旅したい。」という思いから、1973年、アンヌは最小限の荷物と身支度でバイクに乗ってパリを離れ、カナダ、アラスカ、日本、インド、アフガニスタン……西へ西へと進みます。世界は美しく、人間はよき人びとだった―。女性で初めてバイクで世界一周したアンヌ=フランス・ドートヴィルをモデルにした絵本。
出発前の荷造りの場面で「かならずころぶでしょうから、ばんそうこうと包帯は大切です。」という一文に、旅も人生も一緒だなと感じました。ジュリー・モースタッドのイラストが、アンヌの強さと美しさをさらに引き立てます。
 

吉田 愛 作、Emily Balistrieri 訳『江戸日本ねこづくし 旅するさがしもの絵本』
”EDO JAPAN WITH ALL THE CATS A SEEK’N FIND PICTURE BOOK”

2000匹を超えるねこと一緒に、江戸時代の「江戸」「京都」「大坂」1年かけて巡り、金の招きねこや忍者ねこたちを見つけましょう!全て英文併記で、江戸時代の日本の伝統や文化が学べるバイリンガル絵本です。
 

ウルフ・スタルク著『おじいちゃんとの最後の旅』
”RYMLINGARNA”  by Ulf Stark

ぼくのおじいちゃんは今、病院に入院している。口が悪くてきたない言葉を話すので、ぼくのパパとはあまり仲が良くない。でもぼくはおじいちゃんと気が合っている。最近おじいちゃんは、亡くなったおばあちゃんと暮らしていた懐かしい家に戻りたいと言っている。ぼくはそんなおじいちゃんのために、病院を抜け出すカンペキな計画を立てた…。パン屋のアダムに協力してもらい、フェリーに乗って、島にあるおじいちゃんの家に向かうことに。
スウェーデンを代表する児童文学作家ウルフ・スタルクが2017年に亡くなる前に書いた最後の作品。著者自身の祖父の思い出が盛り込まれた、ユーモアにあふれながらも、しんみりと胸に響く物語。

 

初等部高学年・中高等部

角野 栄子著『イコトラベリング1948−』
”IKO TRAVELING 1948-” by Eiko Kadono

1948年、終戦後の日本。中学2年になったイコは、英語の授業で習った【~ing=現在進行形】に衝撃を受けます。「現在進行形、今を進むという事!」急展開で変わっていく世の中の価値観に戸惑いながらも、イコは次第にいつか自分の力で外国へ行きたい、と願うようになります。でもまだ、日本からの海外渡航が許されない時代。手段も理由も見つからないまま大学を卒業したイコに、ある日大きなチャンスが巡ってきます……。
根強い人気のジブリ映画「魔女の宅急便」の原作者でもある児童文学家・角野栄子さんの自叙伝的物語。
 

岡崎 照男 翻訳(エーリッヒ・ショイルマン 著)
『パパラギ 児童書版 ヨーロッパを旅した南の島のツイアビが話した、「よく生きる」ための考えとヒント』

 原書『パパラギ』” Der Papalagi”(独)は、ヨーロッパを訪問したサモアの酋長ツイアビが、帰国後に島の人々に語った文明国の体験や印象をまとめたもの、という設定で、1920年にドイツで画家兼作家のエーリッヒ・ショイルマンによって出版されたフィクションです。
 しかしフィクションと言ってもその内容は、産業革命による工業化や自然環境破壊など、様々な社会の変容に問題提示するもので、100年後の今も、私たちに「よく生きる」ための考えとヒントを伝えています。私たちが得たものと、それと引き換えに失ったものに気づかせてくれる本書は、子どもたちだけではなく、大人も必読の名著と言えるでしょう。


ヤマザキ マリ著『国境のない生き方  私をつくった本と旅』

人気映画の原作である漫画『テルマエ・ロマエ』の著者・ヤマザキマリさんの半生を「本と旅」を軸にふり返る、体験談満載の人生論。14歳で初めてのヨーロッパ一人旅、17歳で縁あってイタリアへ留学したものの、イメージしていたイタリアと住んで知る現実のギャップに苦労します。苦境で支えとなったのは、その時々に出会った良書と恩人の存在です。世界各地を旅し、これまでに数か国で暮らしてきた経験を持つ筆者の地図のサイズは「地球」規模、「失敗はダメージポイントではない、全部経験なんだ」と言います。『テルマエ・ロマエ』のお風呂の構想が生まれた背景も判明しますよ。
 

ヒルダ・ルイス著『とぶ船 上・下』
”The ship that flew”  by Hilda Lewis

ある日ピーターは歯医者さんの帰りに、うす暗い通りの小さな店で、長さ20cmほどの古い小船を手に入れます。しかしその船は突然、人が乗れるくらいの大きさに!なんとそれは魔法の「とぶ船」だったのです。
ピーターたち4人きょうだいはこの船でまず、病気で入院中のお母さんのもとに向かいます。そのあとは、宿題の研究テーマだったエジプトへ、さらには歴史をさかのぼって北欧神話の世界アースガルドまで、時空を超えた冒険旅行へ―。
著者のヒルダ・ルイスはイギリスの作家で、このお話は著者が幼いひとり息子のために書いたタイム・ファンタジーです。
 

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